本山秀樹

記事一覧(62)

危機の時に見えてくるもの

新型コロナ感染拡大予防対策(長い表現だ・・・)のために店を閉めて、そろそろ1か月さぞかし暇で不安な日々を過ごしているのだろうと思われるだろうけどそれが意外と忙しく、平日などは店を開けている時よりも忙しくさせてもらっているひたすら豆を焼き、ひたすら袋詰めし、ひたすらお礼のお手紙を書き、ひたすら梱包して、ひたすら発送する毎日コーヒー屋として10年、今が一番コーヒー屋らしい毎日を送っているのではないだろうか?その理由はWEBSTOREから頂く豆のご注文本当に感謝の言葉しかないこのような状況で果たして今後どうやって暮らしていけばよいかを模索していた1か月前国や行政の支援金などは一切あてにせず、今まで決してしないと誓っていた借金をしたとりあえず半年は無収入で生きていける安心を手に入れて、そして店を閉めた(すべて借金だけど)最初に動いてくれたのは防衛大学校時代の同期卒業以来30年会ってない男たちからの注文には心打たれるものがあった・・・それからイベントで訪れる場所のお客様たちまた会いたい、また来てくださいというメッセージも添えられ・・・そうして今まで開店休業状態だったWEBSTOREが一気に動き出した危機のときこそ見えてくることがある危機の時に手を差し伸べてくれる人とは楽園珈琲を必要としてくれる人、楽園珈琲が無くなったら困る人、想像力が豊かな気持ちの優しい人そんな人たちだった想像力に乏しい人は、コロナが収まってから足繁く店に通って応援しようと思うかもしれないそれでは遅いのだコロナが収まるまでその店が存続する保証はどこにもない熊本地震の時も同じことを思ったけど、今回のほうがより強く(危機感も比べ物にならないくらい大きい)感じる例えば普段店を開けているときに来ていただくお客様楽園珈琲が好きで、コーヒーが好きで、うちのコーヒーを飲みたくて、そんな理由でご来店いただく方はほんの一握り(いるだろうか・・・)ほとんどは知り合いの口コミやSNS経由、観光の通りすがり、友人とのおしゃべりの場所、そんな理由だと思うし、もちろんそうして利用していただくことは店側としても嬉しいただ、やはりそういったお客様は楽園珈琲が無ければ別の店を探すわけで、楽園珈琲が無いなら無いで困ることも無いということは危機の時にわざわざ手を差し伸べる必要もないわけでそう考えると、お洒落な建物外観や、素敵な店内装飾やカトラリー、インスタ映えするスイーツやラテアートなど、危機の時には空虚で何の役にも立たないということが良く分かるもっと言えば、店という存在すらも必要なものかどうか疑問だその証拠に一度も店に来たことも店を見たこともない人がこうして豆を買ってくれるそう楽園珈琲というのは店やワーゲンバスのことではなく、私達が作るコーヒーのことなんだそんな当たり前のことをこの危機が教えてくれたこのコーヒー屋らしい日々も長くは続かないだろうみんな日常がある飽きてくるし気も緩むコーヒー豆の注文など優先順位はずっと低いはずでいよいよこれからが正念場だこのコロナ危機で見えてきたものそれを踏まえて、今後も正しい選択と決断ができますようにまだまだ応援よろしくお願い致します!

地方飲食店の憂鬱と苦悩

新型コロナウイルス地方の田舎町で夫婦で小さなコーヒー屋を営む私達もこの世界規模の戦いに飲み込まれようとしている今日(2020.04.08)までに私達が行ったコロナへの対応は第一段階(2020.04.02):店内の換気を良くして、客席を離し、店員はマスクをし、さらには入店制限(同時に2組まで、さらには1組2名まで)をした第二段階(2020.04.04):店内飲食は中止して、お持ち帰りのみの対応にしたそして今日、二人で話し合った結果として「週末(土日)の営業休止」を決めたその理由として1.緊急事態宣言が出されたこと(熊本県は適用地域外であるが)2.今週末から都市部からの観光客がさらに急増することが予想されるからここ天草の現状として、コロナ騒動が話題になってから明らかに都市部からの観光客が増え、特に週末に至ってはその傾向が顕著になってきた緊急事態宣言が出された地域の人々が週末に都市を脱出して田舎へ向かう(ドライブ等)ことは明らかだ決して都市部の人を差別視しているわけではなく、そうした人たち(こういう状況でも出て回る人たち)は当事者意識が低い人たちであり、より感染の可能性が高く、危険要素を多く持っているといえるそういう人たちがドライブの途中で店に立ち寄り何らかの接触があることで、私たちや天草のお客様、さらには付近の住民まで影響を及ぼすことは避けたい・・・おそらく全ての飲食店経営者の葛藤は「店を開けるとお客様が来る(もしかしたらいつもの週末より多いかもしれない)」「売上が期待できる」「いつものお客様に(開いててよかった)という安心と癒しの場所を与えることができる」「売上で支払いや次の仕入れができる」といったメリットと「不特定多数のお客様と対峙するので感染の危険が大きい」「ご来店されたお客様への感染の危険も大きい」「他県ナンバーの車が入ってくることに対する付近住民の不安が大きい」「自分の店で感染者が出た場合は今後の店の存続が限りなく困難になる」といったデメリットがある自分たちとお客様と地域の安全を第一優先に考えた場合の結論はシンプルで「店を閉めればよい」店を閉めたらお客様は来るはずはなく、感染の不安からかなりの部分で解放されるところがである「収入が無くなる」という大きな不安が残るわけだ(これからどうやって生活するの?)重い問題だ・・・この板挟みの苦悩で、よく眠れない夜が続いた正直店を開けるのが憂鬱で仕方ない本来、癒しを提供しなければならないはずのコーヒー屋がお客様の来店に怯え、除菌殺菌にあけくれ、顔にはマスク、口を開けば「とんでもない世の中ですねぇ・・・」ダメでしょ(そんな気持ちでお客様迎えてまでお金稼がなきゃならないのか?)(いや、それはキレイごとで、生活のためにはそれくらいのこと我慢しなきゃ)心の中の葛藤これこそが緊急事態宣言適用外の地方飲食店が直面している現状じゃないだろうか緊急事態宣言には強制力はないとはいえ今の時代における最高レベルの自粛要請を伴っているこれを重く受け止め、これ以上感染を広める原因のひとつに自分の店がならないために経営者として日本のために何ができるのか?楽園珈琲の第三段階「今週末は休業いたします」そして次の段階は、完全休業です

人生を切り開くとは?

15歳 中学3年生だった僕は100円玉で買えるぬくもり 熱い缶コーヒー握りしめあるひとつの決意をした(自分の人生は自分で切り開く)実に抽象的でつかみどころのない決意だけど約40年前の決意は今も続いている「人生を切り開く」ってどういうことなんだろうか?「なりたい自分になる」ってこと?いや なんか違う気がする「なりたい自分」になどなれたためしはなく次々に現れる人生の分かれ道で決断を迫られ続けた結果「そうなってしまった」それがいわゆる「人生を切り開いちゃった」ってことなのでは?これまでの自分の人生を切り開いちゃった経路を箇条書きにすると・パイロットがだめなら航空機整備を選択(キツイので不人気職種で希望すればなれた)・大学院受験(ちょうど転勤の時期だったので自分で行き先を決めるにはこれしかなかった)・整備教官(大学院卒業後のご褒美で希望通り)・司令官秘書(これだけは本人の意思に反して辞令によって決められた・・・)・日本航空で一等航空整備士取得からの政府専用機(1年間の秘書業務に耐えたので自由に進路を選べた)・自衛隊退職(この先ずっと都心まで2時間の通勤という非人間的な生活と事務仕事には耐えれないし自衛隊という腐った組織にウンザリ)・民間航空業界へ(飛行機のことだけ考えて生きていきたかった)・会社倒産からの「ひゅうが自然学校」入校(大震災を経て人間にとって大事なものは何か?を改めて知った)・天草エアラインへ(生活のため止むを得ず航空業界へ復帰・・・)・コーヒー屋として独立はい、もう支離滅裂な人生を歩んでる「人生を切り開く」って自分の夢に向かって困難辛苦に立ち向かって一本気に突き進んでいく!ってイメージだけどそうは思わない生きてるとほんとにいろんなことがあって(え~!なんで!?なにがどうなってそうなるの!?)って自分の想像をはるかに上回る現実が突然目の前に立ちはだかるわけでその時々で逃げずに立ち向かって、時に新しい生き方を見つけてたとえそれが自分らしくなくてもいいじゃないのまずは生きていかなきゃいけないんだからただどんなときも自分で決める自分で決めるということはその先を自分で切り開かなきゃいけないってことだからそれが「人生を切り開く」ってことかなぁそうそしてその最大の犠牲者が妻だ・・・すまん・・・

親はいつも勝手なものだ

僕の育った家庭環境はアブノーマルなためとにかく1日でも早く家を出て自立したい一心で高校を出ると自衛隊に入った17年勤めた自衛隊を辞めて、故郷の会社に転職のために帰ったら『男が一度勤めた仕事を辞めて戻ってくるなんてみっともない。近所の人になんて言われるか分からんから家の周りに近づくな。』仕舞いには親戚に話すのも面倒だから妹の結婚式にも出させてもらえず涙親のその気持ちも分からなくはないのでこれ以上親に迷惑かけれないと思い、地元に戻ったことは同級生にすら黙って身を潜めていたその会社も日本航空が倒産したため、まさかの倒産プー太郎になった僕を拾ってくれたのが天草エアラインで、現在に至るわけだけれど親の予言どおりのローリングストーン人生だ現在親は年老いて日々の生活自体が大変になってきておりそうなると今度は『こっちに帰ってこれないのか?』と曰う!(貴方は17年前になんて言いましたか?)と、言いたい気持ちを押さえるのがやっと・・・言ったところで、すでに物忘れがかなり進んでいる親の記憶からは消えていることだろうからこの世に生まれてこれたのは親のおかげ結局のところ親子のつながりは死ぬまで切れない運命で子が親の勝手に振り回されるのも運命なのだろうただ親に言わせたらお前に振り回された人生だったとなるのかもしれないな因果応報

自分の経験なんてたかが知れてるんだよ

自分が一生のうちに経験することなんてたかが知れてるコーヒー屋になる前航空整備士という職業を長いことやっていた戦闘機から大型旅客機さらにはセスナなんかの小型機までおそらく現在の日本で、これだけのカテゴリーの航空機整備を経験したのは僕だけだと思う(軍用機が絡んでいるし、現在の資格体系や就職形態からはもうこんな奇遇なバカは出てこないと思う・・・)数年前、知覧でゼロ戦のスクラップを見たときに、(これ全部整備できる)と思ったときは自分でも驚いた(笑)飛行機の進歩なんてそんなものだそれだけやってきたという自負はあれどメカニックとしての経験値からいえば、業界ではまだまだ半人前のレベルだと思っていたどれだけいろんな経験を積んだか?でメカニックとしての腕も知識も上がっていくしかしながら自分が携わる作業など整備作業全体の中のたかが知れたもので、何年たっても経験値はなかなか上がらないものだだからメカニックは人の経験談を良く聞くし、自分の体験(失敗談)も良く話す『あの作業でああやってこうしたら失敗した』『あそこはこういう工具を使ってやったら上手くいく』知ってるか知ってないかで作業進行に天国と地獄ほどの差があるから真剣だ自分の失敗を人に話すことは恥ずかしいことではなく、より良い飛行機を作り上げるために失敗の共有はとても大切なことというのを皆が理解している同僚のミスは皆でカバーするし、ミスしたこと自体を責める人間は誰もいないもちろんミスして「何が悪いの?」と開き直るアホもいないそんな土壌が培われているので、他人の経験をたくさん聞いて、それを自分の経験として糧にするというメカニックの性質は誇りだ伝統工芸や職人の世界では「見て盗め」的な、師匠は何も言わず弟子は師匠の一挙手一投足から何年もかけてテクニックを盗むことが当たり前に受け継がれているけど、飛行機のメカニックの世界はそれとは対極にあるような気がする(どちらがいいとかいう単純な話ではない)自分の失敗を隠さずに話してくれる人には、相手を育てようとする心や優しさがあると思います上手くいった話ばかりする人に何の魅力も感じないのは僕だけではないはずです「自分の経験なんてたかが知れてるんだ」そう思えるか思えないかがスキルアップできる人とできない人の差だと思うわけですまじめな話でした(笑)

とても嫌な思いをしたあとに思ったこと

とある新規商業施設にドリップバッグを置くことになったこちらから置いてくださいとお願いしたわけでは無く、昔お世話になった方からの依頼だったのでありがたく受けた受けたからには自己責任(お願いしたのと同じ事)で一生懸命やるのが僕等のスタンスお手間をかけて売っていただくのだから、双方の利益のために売れる商品づくりをする必要があるオープンから1カ月僕等のドリップバッグはほぼ売れずに賞味期限を迎えた1カ月という賞味期限はコーヒーとしてはあまりにも短いでもそれが楽園珈琲のスタンスなので変える気はないし、安く叩き売る気もないので潔く引き取りに伺うことにしたせっかく行くのだから、•購買層の年齢や性別•観光客のお土産物としてなのか施設利用者がちょっと買っていくのか•売れ筋の価格帯など次なる納品のための作戦と企画のために、この1カ月でフロア担当の方が得た情報を是非伺いたい旨を事前に伝えておいて、昨日引き取りに伺ったわけだが・・・たった1人のフロア担当の方の態度に愕然として帰ることになった(決して何か言われたわけではなく、ただその態度と空気感に)詳細は書けないが、応対していただいた3名のうち、ただ1人の応対の態度でその日1日が全くつまらないクソのような1日になってしまうほどの事だった(売れない商品を出して申し訳ありませんでした)という素直な気持ちで僕は行った納品業者として当たり前の事だと思うそしてフロア担当側にも(こちらこそ御社の商品を売れなくて申し訳ありませんでした)という気持ちがあってこそ、『じゃあ今度はこういうパッケージでやってみましょう!』とか前向きな発展的な話が出来るものだと思っていたのだがせっかく嫌な思いをしたわけだから、もう一度だけ自分たちのやり方で自分たちの思いをお客様に伝える術を考えて納品しようと思うそれで売れないなら、私達の商品力が無いためであり、潔く諦めて撤退させて頂こうこんな思いは今回に限ったことでも無いけど、久しぶりに味わったな吹けば飛ぶよなミクロな珈琲屋だけどただコーヒーを焙煎して何らかの商品にして売るのが僕等の仕事では無いそれを飲んだお客様が何を感じるかそのために日々歯を食いしばってやっているんだよなと改めて肝に銘じた出来事でした